「シートン動物記」〜「ぎざ耳坊や - 綿尾ウサギの物語」(1900年)
沼のほとりに住むある綿尾ウサギの母と子の物語。
シートン自身がウサギに擬態して、読者に語りかける方式をとっています。
生まれて間もなく、ヘビに耳をかまれてギザギザとなってしまった「ぎざ耳坊や」。
しかし、母親に救われて難を逃れた。
そして、弱くて敵の多いウサギですが、母モリーの教えを受け「ぎざ耳坊や」は、スクスクと育ちます。
敵に見つからないように、ジッと身を伏せること、石のように動かず周囲にとけ込んでしまうこと、野ばらのイバラの茂みに身を隠すこと・・・。
あるとき、母と子の2人が生活している茂みに、よそ者のウサギが住み着きます。
力の強いよそ者のウサギは、いつも母と「ぎざ耳坊や」を追いまわします。
「ぎざ耳坊や」は知恵を働かせて、よそ者のウサギを猟犬に追わせることに成功。
ある吹雪の夜に、キツネに住みかを襲われた親子。
老いた母ウサギ・モリーは、最後の力を振り絞りキツネをおびき寄せて、振り切るため池へ飛び込み、力尽きて凍死した。
ひとり野バラの茂みに取り残された「ぎざ耳坊や」だったが、その知恵と精神はシッカリと受け継がれた。
やがて、伴侶を向かえ、子供が生まれた「ぎざ耳坊や」の綿尾ウサギ。
沼のほとりで、力強く栄えることであろう。
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